[QLD句会録棚]
第 69 回 Q L D 句 会 録

開句日:平成8年2月4日
兼 題:「水餅」、「冴ゆる」、「電話」 ※「電話」は無季兼題
No. 俳          句 作  者 選          者
069-01 残業の夫の電話に意義のあり
069-02 寒月や緊急指令の受話器置き クリトン 2 Yumi・こひつじ
069-03 おとなびて孫の片言初電話
069-04 雪催ひ隣りの電話鳴り止みし 中ちゃん 1 野浮
069-05 冴ゆる夜のZライトを引き寄せて ハードエッジ 2 松村・中ちゃん
069-06 月冴ゆる懐中電灯手に遊ぶ
069-07 待つ人もなきアパートに月冴ゆる 竹柏 3 越冬こあら・勝坊・俗世
069-08 ラッシュまだ暗きホームは冴ゆる声
069-09 どか雪の見舞いの電話大声で 破れ鐘 2 ハードエッジ・越冬こあら
069-10 敷蒲団卓袱台テレビ黒電話 越冬こあら 1 あれふ
069-11 「水餅」と冴ゆる声する電話口
069-12 月冴えて森羅万象鎮まれり 勝坊 2 こひつじ・竹柏
069-13 水餅のけふで終わりといふひとつ ハードエッジ 6 浮動甘納豆・中ちゃん・あこちゃん・琴音・勝坊・俗世
069-14 水餅や今年も一人待ちぼうけ 琴音 1 松村
069-15 凍餅(シバレモチ)ここより奥に人家なし Yumi 2 早香・浮動甘納豆
069-16 水餅にされた摘出臓器見る 越冬こあら 3 ハードエッジ・浮動甘納豆・あれふ
069-17 電話なら話せるのかも水仙花 野浮 4 松村・越冬こあら・琴音・破れ鐘
069-18 冴ゆる夜蛍のやうと吾子の声
069-19 水餅や鳥の餌となるひとかけら クリトン 2 早香・琴音
069-20 達者かと里の水餅届きけり
069-21 水餅や波風立てし日もありき 野浮 5 松村・中ちゃん・あこちゃん・こひつじ・破れ鐘
069-22 水餅や生きてこの身の浮き沈み こひつじ 5 ハードエッジ・中ちゃん・あこちゃん・越冬こあら・勝坊
069-23 長電話する気になれぬ冬廊下
069-24 天空は神話の舞台星冴ゆる 野浮 3 Yumi・俗世・破れ鐘
069-25 冬の雨無言電話の闇濡らす 竹柏 2 あれふ・クリトン
069-26 探鳥行山冴えわたり耳朶を刺す 俗世 2 Yumi・勝坊
069-27 水餅や黴びて沈んだ父なし子 あれふ 1 竹柏
069-28 夕暮れの思わぬ早さ月冴える
069-29 蒟蒻の手で引き千切る音や冴ゆ こひつじ 1 浮動甘納豆
069-30 底冷えやまた電話する留守電話
069-31 夜も更けて雪女との長電話 浮動甘納豆 2 こひつじ・越冬こあら
069-32 水餅や追われるように日が過ぎて 松村 3 野浮・破れ鐘・竹柏
069-33 水餅のかっこ悪きを焼きにけり
069-34 冴ゆる夜や口中に声閉じこめて
069-35 寒き夜「おやすみ」だけの電話待つ
069-36 ヨット溜り集うマストの日矢冴ゆる 破れ鐘 1 浮動甘納豆
069-37 今日一ト日働き過ぎや家路冴ゆ 中ちゃん 1 野浮
069-38 冴える夜の望遠鏡のなかの闇
069-39 冴ゆる闇白き螺旋を描きたり あこちゃん 2 竹柏・クリトン
069-40 もしもしも言えぬ電話を温める
069-41 幼子の水餅の身をあはれとも
069-42 片耳に電話の垂るる暑さかな
069-43 水餅に喉を鳴らせし日のあるを 俗世 1 クリトン
069-44 水餅や重なり合ふをひと小突き あこちゃん 2 ハードエッジ・早香
069-45 春隣予後よき友の電話受く 俗世 5 松村・早香・あこちゃん・Yumi・クリトン
069-46 断わりの電話をいれて風邪心地 松村 4 中ちゃん・こひつじ・勝坊・俗世
069-47 狐火や電話の主はだれでせう Yumi 3 早香・あれふ・琴音
069-48 冴ゆる夜石の語るに任せ置く 越冬こあら 4 野浮・Yumi・破れ鐘・クリトン
069-49 手さぐりで水餅掴む甕の底 勝坊 2 ハードエッジ・俗世
069-50 電話なら好きよと言える春隣 こひつじ 2 あこちゃん・あれふ
069-51 空冴えて鴉一羽の天下なり 浮動甘納豆 3 野浮・琴音・竹柏

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