[QLD句会録棚]
第 70 回 Q L D 句 会 録

開句日:平成8年2月18日
兼 題:なし
No. 俳          句 作  者 選          者
070-01 血圧も脈もノーマル寒去りて 勝坊 2 松村・じゅん
070-02 往診を終へてより父の寝酒かな
070-03 色づきし蕾のような船出かな 三原聖修 1 ハードエッジ
070-04 つばくらや庭には鶏たまご抱く
070-05 冬ぬくし誰かが言へば誰も言ふ 松村 5 ハードエッジ・三原聖修・勝坊・Yumi・じゅん
070-06 まげものをつけっぱなしで蓬餅 越冬こあら 1 あこちゃん
070-07 初午や小さきビルの社旗
070-08 日輪や太郎の屋根に残る雪
070-09 なつかしき倫敦塔に懐手
070-10 囓られし月が朧に見え隠れ 三原聖修 1 あれふ
070-11 胸騒ぎする夜に亀の鳴くのかも 松村 2 ハードエッジ・じゅん
070-12 君去りて星座も凍てしノクチュルヌ
070-13 鍋焼の思はぬ蓋の熱さかな 野浮 2 Yumi・じゅん
070-14 風の音に囀りの和す交響詩
070-15 雪こんこ降つても降つても無口なり あこちゃん 4 早香・ハードエッジ・こひつじ・じゅん
070-16 生きるべきか死ぬべきか鳴呼目刺し喰ふ こひつじ 2 浮動甘納豆・あこちゃん
070-17 人生を語る背中に舞う小雪
070-18 年一度父への便りバレンタイン 早香 5 松村・勝坊・俗世・破れ鐘・閑人
070-19 春雨やホームにお茶の水博士 ハードエッジ 4 早香・あれふ・浮動甘納豆・越冬こあら
070-20 遠足や象の交尾を見てしまふ こひつじ 4 中ちゃん・浮動甘納豆・あこちゃん・越冬こあら
070-21 棒付きの飴と一緒に春舐める 越冬こあら 4 中ちゃん・早香・勝坊・クリトン
070-22 庇よりどさりと雪解(ゆきげ)始まりぬ 中ちゃん 1 Yumi
070-23 人声のかなしきを知る二月かな 浮動甘納豆 1 松村
070-24 異国語が聞こえてきます春隣 あれふ 5 松村・野浮・勝坊・破れ鐘・クリトン
070-25 広告紙ごとき空なり日うらうら
070-26 春の風邪あさきゆめみしゑひの中 野浮 1 あこちゃん
070-27 遠来の梅のかおりに目覚めたり 閑人 1 越冬こあら
070-28 湯気たてて宝木(シンギ)待ちゐる裸群かな
070-29 こまこまと自転車をこぐ春の雪 じゅん 4 浮動甘納豆・越冬こあら・破れ鐘・クリトン
070-30 春眠や絵のない絵本の迷い人 まぐろ 2 あれふ・閑人
070-31 従ふは空の蒼さや梅咲きぬ Yumi 3 松村・こひつじ・勝坊
070-32 春めいて噂話の速くなり 越冬こあら 1 野浮
070-33 寒明けの日の板の間に差し込みぬ 中ちゃん 1 早香
070-34 通勤の毎年ここにふきのたう 野浮 5 中ちゃん・早香・ハードエッジ・こひつじ・三原聖修
070-35 石膏の像に二月の影さしぬ Yumi 1 まぐろ
070-36 寒椿赤いほっぺが駆けて来る
070-37 幾春をうち返しをり須磨の浦
070-38 しあわせをロールキャベツに詰めて春 早香 5 中ちゃん・野浮・こひつじ・三原聖修・破れ鐘
070-39 年の豆数え己の無為を知る 勝坊 4 野浮・三原聖修・俗世・クリトン
070-40 発破にも雪散らすのみ無情岩 クリトン 1 閑人
070-41 冴え返ることもあるとは知りつつも
070-42 春遠し一円玉の軽さかな 浮動甘納豆 2 あれふ・Yumi
070-43 啓蟄や児の片言のどっと殖え 俗世 5 中ちゃん・浮動甘納豆・こひつじ・あこちゃん・三原聖修
070-44 光彩は雪解となりてダム湖まで
070-45 堕天使の肌に血文字のダイアログ まぐろ 1 あれふ
070-46 雪虫や生るるものは時を知り Yumi 1 クリトン
070-47 洗面器紅梅一枝枕許 早香 3 越冬こあら・まぐろ・閑人
070-48 高階に月をみてゐる雛かな ハードエッジ 1 俗世
070-49 地虫出づ人間ですとさらり言い 閑人 1 まぐろ
070-50 地面から神を見ている建国日 あれふ 1 まぐろ
070-51 俳句本積んで楽しき冬篭 あこちゃん 1 俗世
070-52 おなじ路戻りて飽きず梅の花 勝坊 4 俗世・Yumi・破れ鐘・閑人
070-53 腹筋が十回できて地虫出づ
070-54 朝かすみ歩きたくなる御堂筋
070-55 探梅行嗤う老婆の薄化粧
070-56 山家忌やこころの闇に澄める月 じゅん 1 まぐろ
070-57 名残雪眉毛の玉と光りけり 破れ鐘 1 野浮

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