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第 79 回 Q L D 句 会 録

開句日:平成8年6月23日
兼 題:「濁り鮒」(にごりぶな)、「紫陽花」(あぢさゐ)、「荷」 ※「荷」は無季兼題
No. 俳          句 作  者 選          者
079-01 紫陽花やひしめき競ひ嵩まさる
079-02 曾祖父の記憶どこかに濁り鮒 浮動甘納豆 6 九鈴ちゃん・早香・あれふ・たんこ・琴音・こひつじ
079-03 翳りたる紫陽花ことに濃かりけり 松村 2 蜆汁・俗世
079-04 銀鱗のかすかに光る濁り鮒
079-05 君の荷を我は背負ふや大西日 九鈴ちゃん 1 中ちゃん
079-06 人寄れば田草ゆらすや濁り鮒 Yumi 4 いづみ・勝坊・あこちゃん・破れ鐘
079-07 ジュエリーの滴となりぬ七変化
079-08 留守番をかってでたのか紫陽花は 越冬こあら 1 破れ鐘
079-09 食堂の女将が掬ふ濁り鮒
079-10 ひと叢の紫陽花今宵濡れなむと
079-11 紫陽花や時には耳の遠いふり あこちゃん 8 いづみ・シグナスX−1・樽金・野浮・琴音・越冬こあら・Yumi・ハードエッジ
079-12 はしり梅雨荷はたちまちに濡(そぼ)ちけり 中ちゃん 1 越冬こあら
079-13 紫陽花や傘の女と艶競い
079-14 荷を解けば初夏の香りがふんだんに
079-15 紫陽花よぼかし模様のモザイクよ
079-16 ねぇおっちゃん一ぴきちょうだい濁り鮒
079-17 紫陽花や雨一服に虹模様
079-18 ひたすらに方向持ちて濁り鮒 九鈴ちゃん 2 野浮・あこちゃん
079-19 紫陽花のこんもりとした世界かな
079-20 形見の荷解けば懐かし黴匂う
079-21 紫陽花の日向にありて面映ゆし 浮動甘納豆 5 松村・シグナスX−1・蜆汁・じゅん・ハードエッジ
079-22 勢ひは小川にまさり濁り鮒 ハードエッジ 1 中ちゃん
079-23 紫陽花の咲けば別れのありしこと
079-24 とある日の欝に魘(おそ)はる手毬花
079-25 うどん玉湯にほぐるゝや濃紫陽花 ハードエッジ 6 いづみ・九鈴ちゃん・樽金・浮動甘納豆・こひつじ・じゅん
079-26 茗荷の子小皿の味噌にもたれをり あこちゃん 7 いづみ・早香・あれふ・勝坊・浮動甘納豆・越冬こあら・ハードエッジ
079-27 あぢさゐのけふはぶるうになつてをり 琴音 5 いづみ・九鈴ちゃん・松村・こひつじ・ハードエッジ
079-28 夏至の夜の死荷重負担限界値 越冬こあら 2 シグナスX−1・あれふ
079-29 厨よりあぢさゐは目の高さまで
079-30 荷を担ぐ蟻ん子つつく白帽子 クリトン 2 早香・破れ鐘
079-31 思ひ出といふ荷の重さ梅雨の空 シグナスX−1 2 蜆汁・Yumi
079-32 あじさゐや境界線のあやふやな 九鈴ちゃん 2 野浮・あこちゃん
079-33 腹返し流さるるまま濁り鮒 クリトン 1 中ちゃん
079-34 紫陽花の青に軽ろさのありにけり 松村 5 浮動甘納豆・こひつじ・じゅん・俗世・Yumi
079-35 濁り鮒きらり君への片思ひ あれふ 1 たんこ
079-36 あぢさゐやそっと秘め事つくるひと
079-37 濁り鮒腹をかへせば銀の色
079-38 紫陽花や染め直したきころもあり 早香 1 破れ鐘
079-39 デザートはあれにしませうあの四葩(ヒラ) Yumi 1 浮動甘納豆
079-40 何だかだとて紫陽花の美しき
079-41 濁り鮒犬にも見する桶の中 樽金 2 野浮・越冬こあら
079-42 荷を負ひて歩く一生や髭鯰
079-43 荷を解けばみな思ひ出や夏衣 琴音 2 あれふ・樽金
079-44 背びれ出しさざ波寄せる濁り鮒
079-45 恋といふ荷物こころに青葡萄 あれふ 2 勝坊・琴音
079-46 会社ではお荷物の人ソーダ水 ハードエッジ 5 シグナスX−1・早香・勝坊・琴音・Yumi
079-47 父の日や嫁いだ娘(こ)から荷がとどく
079-48 梅雨寒や嫁ぐ子の荷の紐固し 樽金 5 中ちゃん・九鈴ちゃん・たんこ・越冬こあら・Yumi
079-49 紫陽花や魚座生まれのひとに飽き シグナスX−1 3 こひつじ・蜆汁・ハードエッジ
079-50 縦列に背鰭見せけり濁り鮒 俗世 1 蜆汁
079-51 紫陽花の花廃線を覆ひたり あれふ 3 松村・あこちゃん・たんこ
079-52 濁り鮒捕らえて逃がす子供居り
079-53 荷物なら自分で持つわ夏木立 じゅん 5 九鈴ちゃん・シグナスX−1・あれふ・琴音・破れ鐘
079-54 濁り鮒さもヤンママな身のこなし
079-55 長靴の子ら猛々し濁り鮒 蜆汁 3 樽金・じゅん・俗世
079-56 紫陽花に雨の音符の弾みけり シグナスX−1 1 松村
079-57 嫁がせて重荷下せり送り梅雨
079-58 瓶に挿すあじさゐ花の丸さかな
079-59 濁り鮒とる声遠し田の闇に 破れ鐘 2 浮動甘納豆・俗世
079-60 行商の荷を置きラムネごくごくと Yumi 3 中ちゃん・野浮・あこちゃん
079-61 幼子の猛きあうらや濁り鮒
079-62 紫陽花にとりどりの色にじみ合ひ
079-63 泪橋あぢさゐ葉のみ生ひ茂り
079-64 午後驟雨荷風は傘をおもむろに 浮動甘納豆 1 早香
079-65 蕗の香や荷に添へられし母の文 こひつじ 4 樽金・勝坊・たんこ・俗世
079-66 「うちは鮎、鮎がええねん」濁り鮒
079-67 水を打ち庭に筧の音閑か
079-68 旅鞄重き荷となる暑さかな 勝坊 1 松村
079-69 正一位稲荷明神木下闇 野浮 1 じゅん

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