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第 88 回 Q L D 句 会 録

開句日:平成8年10月27日
兼 題:なし
No. 俳          句 作  者 選          者
088-01 秋風や鳥篭の目の疎密なる ハードエッジ 1 浮動甘納豆
088-02 現況は平地とあつて秋の芝
088-03 鴨渡る水豊かなる我が町に 子々 1 こひつじ
088-04 どんぐりや人みな目鼻あるふしぎ 九鈴ちゃん 4 中ちゃん・野浮・シグナスX−1・あれふ
088-05 秋祭り遠い囃子に暮れにけり たんこ 1 ハードエッジ
088-06 洗い髪里への便りそぞろ寒
088-07 星月夜猫は哲学者となりぬ シグナスX−1 3 中ちゃん・破れ鐘・あこちゃん
088-08 楢の樹のあらず一枚楢黄葉 いづみ 2 早香・Yumi
088-09 ぢつとしてゐられないんだ秋日和 あこちゃん 3 光海士・野浮・早香
088-10 食卓をおかずと飾るほととぎす 田中恵 1 たんこ
088-11 ポケットはどんぐりだらけ砂だらけ 中ちゃん 2 九鈴ちゃん・たんこ
088-12 透きとほる電話ボックス冬隣 九鈴ちゃん 2 浮動甘納豆・樽金
088-13 まだ緑紅葉を待つ銀杏たち
088-14 花野には音せぬ夜や砂時計
088-15 まろき背をなほまろくして夜なべかな あこちゃん 3 大場画餅・勝坊・クリトン
088-16 海暗し漁火もなく星月夜
088-17 紅葉して且つ黄葉して神の宴 野浮 1 樽金
088-18 紺色の球の真中の熟柿かな
088-19 七竃天動説を唱へをり 越冬こあら 1 松村
088-20 箱庭の微々たる黄色に山思う 田中恵 1 松村
088-21 鵙なきてわが家の庭も秋を知る
088-22 しあわせは嫌いセイタカアワダチソウ シグナスX−1 2 浮動甘納豆・越冬こあら
088-23 一日が和服色なり文化の日 子々 1 あれふ
088-24 黄昏て野はコスモスの仄あかり 破れ鐘 2 あこちゃん・子々
088-25 水銀柱みつめつづけてゐる無月 あれふ 3 早香・いづみ・越冬こあら
088-26 龍胆や高原の風透きとほり 野浮 2 松村・じゅん
088-27 団欒を思い出してはきのこ飯 破れ鐘 2 蜆汁・越冬こあら
088-28 森の秋りす頬袋ぶらさげて じゅん 2 光海士・Yumi
088-29 栗飯やおかずは朴葉味噌焼いて 中ちゃん 1 子々
088-30 秋鯖や油の皿に滲みたる
088-31 色鳥や挨拶をしてすぐ去りぬ クリトン 1 たんこ
088-32 夕暮れの翳りやすくて捨案山子 松村 3 中ちゃん・ちりお・勝坊
088-33 泣きごとは言わぬ母なりちちろ鳴く 樽金 2 いづみ・クリトン
088-34 何事もなかつたやうに野分後 ハードエッジ 2 大場画餅・早香
088-35 晩菊の袋小路や里帰り 樽金 3 破れ鐘・蜆汁・田中恵
088-36 照葉して朝のドラマを午もみる いづみ 2 ハードエッジ・じゅん
088-37 秋風にほころびやすき水面かな ハードエッジ 6 樽金・野浮・シグナスX−1・あれふ・勝坊・Yumi
088-38 森を割る廃線跡や秋桜 光海士 5 樽金・こひつじ・蜆汁・じゅん・田中恵
088-39 小夜時雨足の甲より磁器の冷え
088-40 閉店の本屋を出でて雨の月 浮動甘納豆 1 光海士
088-41 あさっぱらから交みてゐたる蜻蛉かな
088-42 吐息して一粒摘まむ黒葡萄
088-43 夕暮れとともに石焼芋が来る じゅん 1 破れ鐘
088-44 菊飾る人っ子ひとりいないビル 浮動甘納豆 2 野浮・ちりお
088-45 百合の香や田舎のバスをひとりじめ シグナスX−1 1 いづみ
088-46 子らは追う帽子は逃げる野分けかな
088-47 そぞろ寒呼び出し音の鳴り続く 大場画餅 1 松村
088-48 桜もみじ風にふわりと舞い上がり
088-49 遍在の父母の声聞く花野かな 子々 1 ハードエッジ
088-50 曼珠沙華円を描きて揺るるかな 蜆汁 2 九鈴ちゃん・田中恵
088-51 三つ編みの少女の後の落ち葉かな 早香 3 中ちゃん・野浮・たんこ
088-52 石垣の坂の古刹は柿紅葉 破れ鐘 1 子々
088-53 秋の燈や旅人の眼となりて見る Yumi 1 破れ鐘
088-54 秋の灯の果実あふるる廚かな こひつじ 1 九鈴ちゃん
088-55 石垣を蔦這ひ登る城址かな
088-56 すずむしや幸せといふこはれもの あれふ 5 大場画餅・シグナスX−1・こひつじ・蜆汁・いづみ
088-57 黄葉し校門となる大銀杏
088-58 秋の蚊の逃げおほせたる一間(ひとま)かな あこちゃん 4 大場画餅・破れ鐘・蜆汁・じゅん
088-59 言ひかへす子の眼差しや青蜜柑 蜆汁 6 ハードエッジ・あこちゃん・ちりお・あれふ・子々・じゅん
088-60 諍ひは夜霧の中に置いて来し
088-61 バスの窓いなご張りつき街に入る 勝坊 1 たんこ
088-62 腹の肉つかみ三分待つ夜食 大場画餅 1 早香
088-63 捨て猫の子等のなつゐて秋の昼
088-64 暮の秋高圧鉄塔仁王立ち
088-65 秋深し紅茶を混ぜる銀の匙 中ちゃん 4 光海士・樽金・勝坊・越冬こあら
088-66 秋燈やルビのごとくに妻のゐる 樽金 7 浮動甘納豆・シグナスX−1・ハードエッジ・こひつじ・ちりお・あれふ・クリトン
088-67 颱風圏わが家喧嘩の真っ最中
088-68 からすみは手塩に乾き宴果つ 越冬こあら 1 Yumi
088-69 ばった飛ぶ保護色裂けて透ける羽 ちりお 2 浮動甘納豆・田中恵
088-70 狼煙かな籾殻焼きのいく筋も 勝坊 2 子々・松村
088-71 秋の海俺も貴様もふられけり じゅん 2 あこちゃん・クリトン
088-72 見下ろして見上げて愛でる紅葉かな 早香 1 勝坊
088-73 秋嶺へおのれ修理に出す支度 いづみ 3 光海士・大場画餅・Yumi
088-74 廃屋はさらに朽ちたり野の錦 Yumi 2 クリトン・田中恵
088-75 なぞなぞの答えは明日十三夜 越冬こあら 4 シグナスX−1・こひつじ・あこちゃん・九鈴ちゃん
088-76 小鳥来て記念日思い出しにけり こひつじ 3 ちりお・九鈴ちゃん・いづみ
088-77 大鴉焼かれし刈田に舞い降りぬ
088-78 姿見のある部屋に咲く小菊かな 浮動甘納豆 2 中ちゃん・越冬こあら

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