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第 116 回 Q L D 句 会 録

開句日:平成9年11月23日
兼 題:なし
No. 俳          句 作  者 選          者
116-01 実南天軒の日差しを分かちけり 破れ鐘 2 はる・樽金
116-02 生も死も己で決めず木の葉散る こひつじ 1 掃半
116-03 車みな迂回してゆく池普請 中ちゃん 1 浮動甘納豆
116-04 風邪の夜に抱へて眠る膝小僧
116-05 山茶花の蕾残らず落ちにけり 早香 1 勝坊
116-06 冬木立沿いに歩いて省みず 越冬こあら 2 中ちゃん・子々
116-07 明朝はコートと決める車窓かな
116-08 短日や沖より狂ふ浪の音 はる 1 野浮
116-09 銀杏降る路を素通りする別離 日常 3 蜆汁・掃半・樽金
116-10 鳥居に石一回で載り神の留守
116-11 焼芋や渋谷は坂の多い街 樽金 3 掃半・九鈴ちゃん・破れ鐘
116-12 冬晴れやあっけらかんかんそそらそら Yumi 1 日常
116-13 安曇野や天に根を張る大冬木 いづみ 2 はる・Yumi
116-14 世渡りの計算うとし冬の窓 ラシャーヌ 3 たんこ・早香・破れ鐘
116-15 黄落やランチメニューはイーゼルに いづみ 3 浮動甘納豆・日常・越冬こあら
116-16 手の甲の皺の乾きや霜の朝 はる 2 中ちゃん・樽金
116-17 時雨るゝや訪ねし家の留守らしき
116-18 雑炊を啜り阿吽の夫婦かな 樽金 6 中ちゃん・たんこ・野浮・はる・勝坊・こひつじ
116-19 並木道秋の終わりを告げにけり たんこ 3 子々・野浮・勝坊
116-20 枝はらい街になじむや冬木立 早香 1 子々
116-21 五本目の煙草で暮れる日の短 浮動甘納豆 2 こひつじ・破れ鐘
116-22 嬰児に甘き乳房や冬ぬくし 掃半 1 日常
116-23 ためらひの門をくぐるや花八手 樽金 5 中ちゃん・勝坊・ラシャーヌ・Yumi・破れ鐘
116-24 言葉とは不便なるもの賀状書く Yumi 2 いづみ・こひつじ
116-25 段ボール箱より葱のはみだせり 九鈴ちゃん 4 中ちゃん・浮動甘納豆・蜆汁・早香
116-26 散り際を探しあぐねる紅葉かな
116-27 さざんかや渋谷の裏の屋敷町 浮動甘納豆 1 いづみ
116-28 寂しさをこらえて一人野分の夜
116-29 冬星や灯りの点かぬ家があり 蜆汁 3 越冬こあら・ラシャーヌ・樽金
116-30 眼つむればバッタンキューや干布団
116-31 冬薔薇かわいい女になりすます 早香 5 蜆汁・掃半・越冬こあら・ラシャーヌ・こひつじ
116-32 近道となりし刈田の靴の跡 勝坊 3 浮動甘納豆・はる・早香
116-33 冬木立チャウチャウ犬はバックシャン
116-34 点滅のランプくれなゐ虫の闇 九鈴ちゃん 1 Yumi
116-35 晩秋の雨が冷たく肌を刺す
116-36 犬どうし知り合いになる枯野かな 掃半 4 越冬こあら・いづみ・ラシャーヌ・早香
116-37 きゅるきゅると水栓固し冬はじめ ラシャーヌ 3 日常・いづみ・九鈴ちゃん
116-38 白鳥のバタバタ駆ける湖面かな 野浮 1 九鈴ちゃん
116-39 泣き女通り過ぐるや虎落笛 Yumi 1 蜆汁
116-40 農民体操無線で流れ冬に入る 子々 2 日常・ラシャーヌ
116-41 霧の灯にボジョレーヌーボー待ちわびて
116-42 紅葉して去年の紅葉を語りけり 中ちゃん 1 破れ鐘
116-43 枯木みなもの言ひたげな幹の影
116-44 残菊の首をはね終え吸うたばこ 日常 2 蜆汁・早香
116-45 小春日や目薬させば開く口 勝坊 4 越冬こあら・いづみ・九鈴ちゃん・こひつじ
116-46 ひと吹きで裸にされそう冬紅葉 掃半 1 たんこ
116-47 ラム三キロ食いきつたるよ小六月 九鈴ちゃん 1 浮動甘納豆
116-48 切干を肴にカント語る君 中ちゃん 4 野浮・掃半・はる・Yumi
116-49 凩の通り過ぎたる後の闇
116-50 菊人形恋の濡れ場に水が降る 勝坊 1 子々
116-51 日溜まりに吹かれ来たりし枯葉かな
116-52 冬めくや杓子定規に床掃除 越冬こあら 1 野浮
116-53 回転数狂うレコード師走来る ラシャーヌ 2 Yumi・九鈴ちゃん
116-54 一面の霜の溶けゆく日ざしかな 浮動甘納豆 2 子々・たんこ
116-55 カーテンを薄暮にひいて冬の部屋 日常 1 樽金
116-56 虎落笛引きつけられてゆく心
116-57 彩りの路を辿りぬ濡れ落ち葉 破れ鐘 2 たんこ・勝坊

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