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第 129 回 Q L D 句 会 録

開句日:平成10年5月24日
兼 題:「新樹」、「糸取」(いととり)、「大仏」 ※「大仏」は無季兼題
No. 俳          句 作  者 選          者
129-01 新樹蔭深く憩ひて一人恋ふ 勝坊 1 じゅん
129-02 糸を取る母の小さくなりし髷 樽金 2 一信・たんこ
129-03 糸引きの老女の吟ずる智恵子抄
129-04 大仏の丈より高き夏の雲 蜆汁 2 早香・はにわ(ToT)
129-05 糸取の匂ひを洗ふ共同湯 じゅん 6 九鈴ちゃん・中ちゃん・こひつじ・はる・蜆汁・はにわ(ToT)
129-06 大仏を見物にゆく蟻の列 掃半 4 浮動甘納豆・こひつじ・子々・早香
129-07 大仏と将棋指す夢篭枕
129-08 ルンルンの雨となりけり新樹光 破れ鐘 1 日常
129-09 新樹萌え欝蒼とせし神社かな
129-10 日の入るや新樹の枝の間より
129-11 糸取機女工と共に擦り減りて
129-12 炎帝が大仏殿へ伺ふや
129-13 糸取りの祖母の手元を覗く孫 はる 2 一信・たんこ
129-14 鎌倉は武家の大仏虎が雨 浮動甘納豆 2 破れ鐘・Yumi
129-15 大仏さん一口いかが蕨餅 早香 3 日常・こひつじ・たんこ
129-16 糸引の歌を残して工場閉じ 掃半 3 はる・子々・はにわ(ToT)
129-17 大仏は着の身着の侭衣更え 樽金 6 中ちゃん・勝坊・一信・ちりお・早香・Yumi
129-18 玲瓏たる水面をかぶき新樹立つ
129-19 幾筋の光集めて糸を取る ちりお 3 掃半・樽金・子々
129-20 大仏の指の修理や汗拭い Yumi 2 九鈴ちゃん・野浮
129-21 葬列の茶髪の如く新樹かな 日常 1 浮動甘納豆
129-22 湯気の中鍋だけを見る糸取女 中ちゃん 1 蜆汁
129-23 大仏にのこりの命を頼む夏 掃半 4 日常・一信・たんこ・はにわ(ToT)
129-24 糸取や母の想ひを知らざりき
129-25 キャンパスに英語飛び交ひ新樹多々
129-26 大仏殿出でてあまねく夏の芝
129-27 大仏の陰であられもないキッス はる 2 じゅん・蜆汁
129-28 糸取の指より糸の伸びにけり 九鈴ちゃん 4 野浮・ハードエッジ・掃半・樽金
129-29 大仏も汗をかきそな昼下がり たんこ 1 じゅん
129-30 糸取や余呉に天女の言い伝え
129-31 糸取の音まぼろしの資料館 早香 3 中ちゃん・越冬こあら・ちりお
129-32 影の無き顔して揺るる新樹かな
129-33 哀史いま昔の想ひ糸取女
129-34 湖(ウミ)の面の揺らぎ新樹の堤かな
129-35 万緑の中や大仏大行進 越冬こあら 1 破れ鐘
129-36 新緑の上(へ)に大仏が頭だけ 中ちゃん 9 九鈴ちゃん・浮動甘納豆・野浮・ハードエッジ・勝坊・こひつじ・はる・子々・Yumi
129-37 谷渡る風になびける新樹かな 九鈴ちゃん 1 たんこ
129-38 背を追って新樹の森に入りにけり 一信 1 蜆汁
129-39 はや寝まる露坐の大仏青葉木菟
129-40 大仏を従え鹿の子力足
129-41 定年の身にひとしほの新樹かな 一信 2 樽金・子々
129-42 新樹満つ紅きネクタイして行かん 浮動甘納豆 5 中ちゃん・越冬こあら・掃半・こひつじ・破れ鐘
129-43 ひきがへる大仏様を睨みをり 野浮 1 はにわ(ToT)
129-44 大仏の掌(ヒラ)は大きや蝿隠す
129-45 糸取やシルクの下着あるさうな こひつじ 2 九鈴ちゃん・日常
129-46 大仏の降る花もなき高さかな 日常 2 浮動甘納豆・ちりお
129-47 大仏や梅雨空さへも掌 一信 3 じゅん・ちりお・蜆汁
129-48 新樹光腕にからまる金の蛇
129-49 精霊をそれぞれ宿し新樹の夜 越冬こあら 2 野浮・一信
129-50 大仏の重きまぶたや露座暑し 勝坊 4 九鈴ちゃん・樽金・ちりお・Yumi
129-51 ベクトルのみな天を指し新樹光 ちりお 2 越冬こあら・破れ鐘
129-52 大仏の胎混んでゐる夕立かな こひつじ 1 ハードエッジ
129-53 軽やかに新樹並木を出勤す 野浮 2 越冬こあら・勝坊
129-54 大仏のぬくき台座やサクランボ
129-55 方寸の座に安心(アンジン)の糸を取る 子々 1 ハードエッジ
129-56 緑蔭にゐるは大佛次郎かな ハードエッジ 1 早香
129-57 母の手を目掛け二三歩新樹かな
129-58 糸取られ死せし蛹やあはれなり
129-59 仕事辞め新樹の風に吹かれをり じゅん 1 樽金
129-60 新樹光昨日と違ふ妻の声 蜆汁 5 越冬こあら・勝坊・掃半・破れ鐘・Yumi
129-61 糸取や皆東京へ行ったきり 越冬こあら 1 はる
129-62 百年の山毛欅の新樹を抱きにけり
129-63 渋滞を許したりけり新樹光
129-64 煌めきは無垢の証や糸を繰る 野浮 1 掃半
129-65 糸取りや指先紅く休みなく 日常 3 中ちゃん・ハードエッジ・勝坊
129-66 糸取女とぎれた唄をはじめから ハードエッジ 6 浮動甘納豆・じゅん・野浮・日常・はる・早香

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